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色が商品を強くする=
カラーマーチャンダイジングの可能性

色の持つ価値と力

今私達の世界は色で満ち溢れています。街に出れば、お店に入れば、そこでは色とりどりの商品と出会うことが出来ます。様々に主張する多種多様な色は、人間の意識や、感情、思考に訴えかけてきます。これまでの消費社会では、誰もが機能を追い求め、色は二次的な選択基準でした。しかし機能が成熟し、商品に更に差別化が求められるとき注目されるのがデザインと色だったのです。人々のライフスタイルは多様化し、また求められるニーズも様々な現代において、デザインと色で形作られた個性豊かな商品が、人々の生活の中に広く溶け込んでいます。私達はその中でも「色」の持つ力が市場に与える影響力に着目し、そして出会ったのがPANTONEでした。

PANTONEとは

私達がPANTONEと商品化ビジネスを始めて約5年になります。PANTONEと云えば、それまでルールのなかった色の世界に初めて基準を設定しシステム化した企業として、デザインに関わる人なら誰もが知っています。そのカラーシステムは、グラフィックデザインや出版、ファッション、建築、インテリアの世界など、業種のボーダーを超えて「色の世界共通言語」として機能しています。私達はPANTONEの持つその機能とブランド力を活かして、商品化ビジネスを推進しています。

商品化ライセンス1 (ソフトバンクモバイルのケース)

PANTONEの色は勿論のこと、PANTONEという世界観から想起されるクリエイティビティ、ユーモア性、モダンなシンプル感等、デザインにおいてこれらの要素を重視し、様々な商品を展開しています。PANTONEという名前を一躍世間に知らしめてくれたソフトバンクの携帯電話「812SH」は、1モデルで20色という業界では成し得なかった多色展開を行い、大ヒット商品となりました。機能だけでなく、色が商品価値を向上させた好例と云えるでしょう。ソフトバンクは当時ナンバーポータビリティ制度を見据え、市場に対して他社に真似できない驚きや新鮮さ、インパクトを与えることを模索していました。そこで考えられたのが人々の心を躍らせる色の提案でした。ifs_color04機能やスペックにむきがちな生活者の視線を色に向けさせることを考え、PANTONEとの取組が始まったのです。この取組では開発の細部にもこだわりを見せており、単に筐体にPANTONEカラーを用いただけでなく、待受画面や製品のパッケージにもPANTONEカラーチップを用いたデザインが施されています。パッケージについては、他の機種では同社の統一のものが使用されていましたが、PANTONE携帯は本体の色に応じた各色の専用パッケージを用意しました。このパッケージは店頭でディスプレイとしても活用され、陳列すると店頭が彩り豊かになり販促面でも大きな役割を担いました。この20色が選ばれたポイントは2つあり、1つは並べた時の全体的なバランス感を考え、店頭ディスプレイの際20色が最も映えるように配列されていることと、個々の色のクオリティを突き詰めた結果、シンプルでありながらも高級感が得られる色という点でした。

商品化ライセンス2 (サンスター文具のケース)

サンスター文具のケースまたサンスター文具のステーショナリーシリーズも同様にデザインにこだわりをみせています。最初に発売した商品は、どのような色を採用して企画を組み立てるかというところから始まりました。ステーショナリーはデイリーに使われる商品ですから、「日常の」という視点から企画の切り口を見いだし、1週間の月曜日から日曜日までの7日間にそれぞれの気分を表すコンセプトカラーを設定し、1日を朝、昼、夜に分け、淡い色から濃い色へと変化するその過程を色で表現しました。サンスター文具のケースこうして合計21色のカラーパレットを組み、その多色の楽しさがスケール感と共に好評に迎えられました。またユーモアという観点ではハサミを例にとると、閉じていればPANTONEロゴとコンセプトカラーが用いられているシンプルなデザインですが、使用すると刃の根元の部分から採用されたカラー番号が出てきます。ノートも考え抜いて作られた商品のひとつです。中を開けばその罫線に用いられているカラーは、表紙に用いられたカラーに対する補色となっており、この補色調和によってお互いの色を引き立て合う相乗効果を発揮します。
PANTONEは長年に渡り色の心理学的、生理学的な側面を研究してきた企業でもあります。色に関わる消費者の嗜好やカラートレンドを調査するパントン・カラー・インスティテュートにおいて行われた研究に基づいて、各色にカラー名と、それぞれの色をイメージする3つのキーワードを与えていることも特徴です。ifs_color03例えばサンスター文具が採用した13-0650という色番号には、SULPHUR SPRINGという色名が付いており、それには3つのキーワードfresh(新鮮な)、lively(生き生きした)、trendy(トレンディー)が設定されています。その色を選んだ人は、ノートの裏面に書いてあるキーワードを読んで、「なるほど」と思うわけです。
サンスター文具が手掛ける一連のステーショナリーシリーズは、日本国内だけでなく、世界中で販売されています。色というものを追求し、こだわって作られた商品だからこそ、ニューヨーク近代美術館のデザインストア(MOMAストア)やコンランショップ、コレット等、様々な国の店で扱われるに至ったのです。 このように色というものをあらゆる視点から捉え、自転車やキャリーケースなど国内の様々なパートナーと共に、既製の商品にブランドロゴと色を付与するだけではない商品展開を行っています。

PANTONEビジネスにおける新たな可能性

PANTONEは色に関わる様々なコンサルティングも行っています。企業の顔ともいえるブランドカラーの開発も手掛けており、GAPのネイビーブルー、Tiffanyのロビンズエッグブルー、PUMAのレッド、マテル社Barbieのピンクなど、これらはPANTONEが作り出したカラーの一例です。
他にもある生地メーカーが手掛けるファブリックに対して、PANTONEのカラー番号を照合、付与する「カラークロスリファレンス」=「色の照合」という技術ライセンスも行っている例があります。ifs_color05これによって、そのライセンスを供与されたメーカーは世界スタンダードのPANTONEカラーで参照できるようになります。私達はこのカラークロスリファレンスに新たな可能性を見いだし、商品化ライセンスでリーチできていない分野に、技術ライセンスでアプローチを図って行く事にしました。また様々な企業が色に対して価値を見いだしている中で、上記のTiffany等の例のように、カラーコンサルティングを行っていく業務も実施していきたいと考えています。このように商品化ライセンス以外のアプローチを伴って、様々な企業とカラーに関わる取組を行い、日本市場におけるPANTONEのブランド価値、企業価値を高めていくつもりです。

PANTONEビジネスにおける意義

PANTONEというブランドと人々のライフスタイルの接点を見いだし、介在するメーカーと共に魅力的な商品を作りあげる事で、双方のブランド価値、企業価値を向上させていくこと。これがPANTONEビジネスにおける意義だと感じています。
製品だけでなく空間など、PANTONEが進出する分野は未だたくさんあり、色のマーチャンダイジングの可能性は無限大にあると云えます。そのような未知の世界に「色」という架け橋を設け、その世界を「PANTONE」という「色」で彩ることができれば、それはきっと「色」の持つ無限の可能性と力によって、人々の心や生活を豊かにすることができ、そして「色」=「PANTONE」が文化として根付くことに繋がる筈です。
同じ機能を持った商品が、ある色を身にまとうことで魅力的な商品として生まれ変わり、受け入れられることがあります。そうPANTONEの「色」に、そんな不思議な力が備わっているからこそ、この事業にも無限の可能性が秘められているのです。

お問い合わせ先

コンシューマープロダクツチーム
担当:塩冶崇文 Mail:takafumi.enya@ifs.co.jp

03- 6439-3159